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2008年 07月 21日
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 主題の吉祥天は「吉祥悔過会」に用いられる本尊。インドのラクシュミー信仰から大乗仏教にとり入れられたとされている。 奈良・天平時代(771年ごろ)の作。 基底材は麻、顔料は白土、朱、緑青、群青、金、弁柄(紫部分)、染料系統が用いられている。 線描は肥痩の適度にある、写実を旨とするもの。髪の生え際などは他に類例を見ない精妙さで描かれている。補色(朱と緑)を用いながら、繧繝彩色(グラデーション)を巧みに扱い、繊細かつ慎重に整えられた色彩が圧倒的に美しい。日本の古典絵画作品中、線、色、画材の扱い、すべてにおいて完成され、後に発展していく平安仏画の機軸を示す作品。 題材の扱いは仏画にルーツを探るより、むしろ、中国、唐時代の婦女図に似たものを見出すことができる。 風の描写は、中国、戦国時代の布帛画に早くも表される。贅沢にまとった薄絹の類は、【顧愷之】の『洛神図』(晋)中に同種のものがみられる。 そのふくよかな姿態は、【白居易】の『長恨歌』(唐)でよく知られる、楊貴妃(唐)付近の一時期の中国で顕著に認められる女性美の傾向に依ったと思われる。台北故宮博物館の『宮楽図』に似た表現がみられる。 ランキングに参加しています。1クリックお願いします。
by hiro-ikegami
| 2008-07-21 17:59
| 模写
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