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2012年 06月 09日
日本画の技法書について
本が好きなこともあり、アトリエにだいたい現在出版されている日本画の技書は、集めています。 生徒さんから購入に際してのアドバイスの御要望が多いので、目的別にお勧めしておきます。 日本画の技法書は再版されないことやプレミアがついてしまうことが多いので、欲しい本は、手に入るうちに購入しておく方がいいでしょう。また、中古品は、技法書という性質上、汚れてしまっていることも多いです。 お勧め度は、私の独断ですが、より基本的で幅広い内容が網羅されているような本に☆を多くつけています。 あまりに古いものは、カラーが少なかったり入手困難であったりするので、現在、販売されているものを掲載しました。 ①まったくの初心者の方へ 基礎的な技法のこと全般が載っていて、作品創作過程がよくわかることが重要です。 1京都造形芸術大学のテキスト お勧め度☆☆☆☆☆ 通信教育用のテキストなので、とても丁寧です。 京都造形芸術大学の本ですが、掲載されている作家が造形大の出身者&教員だけでないところも画期的です。写生の参考作品も勉強になりますし、論文や対談部分も、じっくり読んでいただきたいです。 上巻日本画を学ぶ〈1〉静物写生から本画制作・日本画の用具用材 (美と創作シリーズ) 下巻日本画を学ぶ〈2〉花鳥・風景・人物の本画制作作家の素描 (美と創作シリーズ) 2武蔵野芸術大学のテキスト お勧め度☆☆☆☆ 抽象的であったり、現代的な研究が中心です。 ※画像を押すとアマゾンに移動します。 3日本画ノート (基礎) (みみずく・アートシリーズ) お勧め度☆☆☆☆ (少し古いですが、基本的なことが全体的に掲載されています。絵の具の扱い方からスケッチ、作品創作まで載っていて、価格も手ごろなので、初めの一冊としてはいいと思います) 4日本画技法講座 お勧め度☆☆☆ (モチーフごとに別れていて、作家さんのカラーが強いです。昔、松尾敏男先生の牡丹に憧れて、「花を描く」で研究した懐かしい一冊です。 花を描く 動物を描く 風景を描く ②画材について知識を深める 1画材と技法 お勧め度☆☆☆☆ 画材について、製作工程からフルカラーでしっかりと解説しています。 恩師の箱崎睦昌先生と古画修復に心血を注がれた林功先生の共著です。 2日本画 画材と技法の秘伝集 お勧め度☆☆☆☆☆ 基本的な技法のことで、この本に載っていないことは無いといっていいくらいの、良書です。 ③好きな作家さんに学ぶ 1 人気作家に学ぶ日本画の技法 お勧め度☆☆☆ シリーズたくさんあります。好きな作家さんのものを見つけたら、是非。 2 上村淳之先生 NHK趣味悠々 お勧め度☆☆☆☆ まったくの初心者の方でも、ゆっくりテキストどおりに模写していけば、作品を描けます。 技法の解説で少し手順解説を端折っているところがあるようです。 上村淳之のはじめよう日本画 (NHK趣味悠々) 3 竹内浩一先生 NHK趣味悠々 お勧め度☆☆☆ 竹内先生ファンの方に、是非。 ④その他 ●デッサンの本 たくさんありますが、どれか1冊は持っていて欲しいです。 1 パーフェクトマスター デッサン・静物 お勧め度☆☆☆☆ 2 鉛筆デッサンの基本 お勧め度☆☆☆☆ ●古典を学ぶ・運筆を学ぶ 1 芥子園画伝 お勧め度☆☆☆☆☆ 古典ですが、今読んでも、参考になるところは多いです。芥子園画伝は古画を勉強していれば、必ず必要になる一冊です。この版は草薙奈津子先生が現代語訳されています。原本が木版なので、手本にする場合は線が少し硬く、注意が必要です。 2 京の絵手本 お勧め度☆☆☆ 技法書というより、手本だけが載って、研究者により解説がなされているので、上級者向け。 手本としては、かなりいいもので、描いて楽しい手本です。 京都画壇のそうそうたるメンバーの絵手本です。 3 はじめての水墨画 お勧め度☆☆☆ 水墨画のテキストは、数多くありますが、古いものですと、モノクロ印刷で墨色の加減がわかりません。最新のもので、日本画の先生に学んだ方のテキストです。 4 四君子の描法 お勧め度☆☆☆☆ 水墨画のテキストは、作家の個性が強く、好みの作家さんをさがしていただくといいのですが、内容はだいたい、芥子園と同じものです。日本画の基本用筆も同じです。 最近は、日本画では、運筆を作品に取り入れる作家が少ないので、新しい本には、運筆に関しては、ほとんど載っていません。 ですので、水墨のテキストをあげます。 最低でも四君子(竹、梅、春蘭、菊)は、筆法を学ぶためにも、手本と直接指導を併用して、練習してほしいです。 ●最新を学ぶ 1 月刊 美術の窓 お勧め度☆☆☆☆☆ 最新の技法は雑誌が早いです。掲載は、日本画だけではありませんが、日本画作品も多いです。他には月刊誌での日本画の技法書がないので、貴重です。 ↓ランキングに参加しています。クリックお願いします☆
by hiro-ikegami
| 2012-06-09 16:40
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