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2017年 01月 08日
嵯峨菊、ようやく完成しました。 清楚で気品溢れる姿を描きたかったです。 嵯峨菊は、京都嵐山にある、嵯峨の大覚寺に伝わる鑑賞菊です。七五三の独特の風情に仕立てられます。 初めて嵯峨菊を見たときは、地元の枚方が菊人形で有名な菊の産地だったこともあり、なんとも弱弱しい嵯峨菊の立ち姿に、少し物足りないものを感じたのですが、京都の大覚寺で御簾越しに眺める、みやびやかな五色の嵯峨菊、大澤池を借景に五大堂の舞台から愛でる楚々とした儚げな姿に触れ、一年を通して、そのお世話をしていく中で、このなよなよと風に靡く、繊細で危うい美こそが、門跡寺院の奥底にひっそりと秘された嵯峨菊に託された美意識なのだ、と気付かされました。 平安貴族の夢のかけらか、王朝文化の煌めきの名残か… そのようなものが、何百年の時を経て、人の手から手に、心から心へ、ひっそりと隠され託されて、嵯峨菊の姿を借りて、今に受け継がれていることが興味深く思われます。 いつか、機会があれば、是非皆様にも、晩秋の大覚寺の嵯峨菊展にいらしていただきたいです。ここでしか味わえない一つの美の世界に触れることができると思います。 「嵯峨菊のかほりたちこめ秋のそら たかき心はいづちゆくらむ」嵯峨野にて友を詠める詩(大覚寺勤務時代に、かほりさんという先輩のお誕生日に詠んだ歌です) ↓ランキングに参加しています。クリックお願いします。
by hiro-ikegami
| 2017-01-08 07:09
| 作品
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