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2008年 07月 22日
![]() 中国戦国時代(紀元前403~紀元前221年)楚国、帛画。 非常に呪術的な作品です。 今朝、研究用に骨描きを起こしてみました。 太古、人々は、一つ一つの目の前の事象を、抽象的思考によって“サイン化”し、言葉を生み、文字を生み、独自の社会を築いていきました。 ほほにあたる空気の流れに『風』と名づけ、厳しい寒さが緩む喜びのときを『春』と呼び、植物から香り開く美しきものを『花』として… 神や空想上の動物、動き、感覚、自然現象、そこから触発される物語、そういった定形を持たないものに、荒々しい形を与えることは、古代の人々にとって歴史の必然的な流れの延長にあったごく自然な行為です。 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 長 31センチ 幅 22.5センチ 1949年湖南省長沙陳家大山楚墓出土。 旗指物。 現存する中国の帛(絹)上の絵画中、最古のもの。 画面上には、挽髺有冠の合掌する女性、鳳鳥と、左端に夔がみられる。 夔は伝説上の一本足の龍に似た怪物。 画面の思想内容は ①戦国時代、楚の国の俗信、祈祷により、鳳鳥の善霊が、夔の悪霊を制し打ち払う意味 ②巫女装束の女性が墓主で、祈祷により、鳳と夔によって天界に魂を導かれる意味 など諸説入り乱れる。 画面構成上の夔の不自然な配置からは、①が推される。 画面の表現は主に、打ち込み抜くような楔に似た骨法の、強い線描によって支えられる。 中国側の文献からは、嘴唇に紅色系統使用とあるが、判別不可。 中国石器時代の彩陶画の表現の流れを受け、後の馬王堆漢墓の帛画へと続く流れの空白を補う作品である。 参考文献:中国歴代絵画 1981 林樹中他編 天津人民絵画図録 芸術とは何か 1967 S.K.ランガー 岩波新書 ランキングに参加しています。1クリックお願いします。 ![]() #
by hiro-ikegami
| 2008-07-22 23:29
| 模写
2008年 07月 21日
![]() ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 主題の吉祥天は「吉祥悔過会」に用いられる本尊。インドのラクシュミー信仰から大乗仏教にとり入れられたとされている。 奈良・天平時代(771年ごろ)の作。 基底材は麻、顔料は白土、朱、緑青、群青、金、弁柄(紫部分)、染料系統が用いられている。 線描は肥痩の適度にある、写実を旨とするもの。髪の生え際などは他に類例を見ない精妙さで描かれている。補色(朱と緑)を用いながら、繧繝彩色(グラデーション)を巧みに扱い、繊細かつ慎重に整えられた色彩が圧倒的に美しい。日本の古典絵画作品中、線、色、画材の扱い、すべてにおいて完成され、後に発展していく平安仏画の機軸を示す作品。 題材の扱いは仏画にルーツを探るより、むしろ、中国、唐時代の婦女図に似たものを見出すことができる。 風の描写は、中国、戦国時代の布帛画に早くも表される。贅沢にまとった薄絹の類は、【顧愷之】の『洛神図』(晋)中に同種のものがみられる。 そのふくよかな姿態は、【白居易】の『長恨歌』(唐)でよく知られる、楊貴妃(唐)付近の一時期の中国で顕著に認められる女性美の傾向に依ったと思われる。台北故宮博物館の『宮楽図』に似た表現がみられる。 ![]() ランキングに参加しています。1クリックお願いします。 ![]() #
by hiro-ikegami
| 2008-07-21 17:59
| 模写
2008年 07月 20日
1980年 大阪府枚方市出身
1999年 大阪府立四条畷高等学校卒業 2001年 嵯峨美術短期大学日本画家模写室卒業 卒業制作 「国宝 伴大納言絵巻 模写」 教育後援会奨励賞受賞 2001年 第一回薫風会グループ展出品 2002年 第二回薫風会グループ展出品 2003年 京都嵯峨芸術大学短期大学部専攻科古画研究工房終了 終了制作 「国宝 仁和寺孔雀明王画像 模写」 大覚寺賞受賞 2004年 終了制作 「国宝 仁和寺孔雀明王画像 模写」 総本山仁和寺 奉納 現在展示中 (行事の都合などで展示されていないことがあります。 展示については本山へご確認ください。) 2005年 日本画院展入選 2006年 大本山大覚寺 嵯峨書道学院 月刊『墨華』挿絵掲載 2007年 『花美術館』vol.2 掲載 蒼海出版 2007年 『心に残る和の年賀状素材集』子年版 作品提供 株式会社インプレスジャパン 2008年 御殿山美術センター「アートフラッシュ」個展 2008年 日本画院秋季展出品 #
by hiro-ikegami
| 2008-07-20 14:35
| プロフィール
2008年 07月 20日
嵯峨野より東京へ出て、現在、弁護士の先生のもとへ置いていただき、峻厳たる書生生活を送りつつ、絵画修行に励んでおります。
以前のホームページ上での、オーダー絵画による後援者募集計画で、四年間、企業や個人の多くの方々に支えて頂き、ようやくここまで絵を描き続けることができました。 今後は、東洋絵画を中心とした芸術研究を柱としながら、自己の創作を模索し、芸術分野から、何らかの社会貢献をしていきたいと思っております。 また、ブログ上に掲載する浅文は、行く人の少なく険しい古画研究の道を歩む方、また一般の芸術愛好者の方の、御研究の一助に供することができればと願っております。 今後ともよろしくお願い申し上げます。 日本画家 池上 紘子 ランキングに参加しています。1クリックお願いします。 ![]() #
by hiro-ikegami
| 2008-07-20 14:18
| 創作について
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